[.直播栽培

  移植栽培は定植時の他作物との作業競合、労力負担増や、育苗施設の拡大等にもつながり、コスト低減、省力化を目指すことによって直播栽培が見直されています。
もくじ 1.排水対策
2.酸性矯正
3.堆肥の施用
4.耕起・砕土・整地
5.施肥と施肥位置
6.播種と覆土
7.除草剤散布
8.狭畦幅栽培

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1.排水対策

右矢印湿害回避対策の項参照。
特に直播は初期生育時に湿害を受けると収量にダメージが大きいので十分事前の対策を行う。

酸性障害
▲酸性障害
▼pHの違いによる生育差
pHの違いによる生育差の写真
pH5.18  |  pH5.98

2.酸性矯正

右矢印適正な土壌pHの項参照。

(1)直播栽培はpHが低いほど減収が大きく、また初期生育障害も発生しやすくなる(表8-1)
(2)直播栽培を行う圃場は必ず土壌pHを測定し、酸性矯正を行う。(5.8以上)

表8-1 土壌pHと収量糖分(S52〜54.北糖)
pH根重糖分糖量
6.5
6.0
5.5
5.0
100
 96
 89
 77
100
101
103
105
100
 97
 92
 81


3.堆肥の施用

  堆肥は完熟堆肥を施用し、根の伸長を旺盛にし、 収量を安定させる。また、湿害が軽減される。


 クラスト層。クリックすると拡大します

クラスト層虫めがね
クラストクラッシャー
クラストクラッシャー

4.耕起・砕土・整地

(1)耕起時には心土が表層に上がるような極端な深耕は避ける。
(2)土壌条件、土質、作業機械等によっても異なるが、播種作業時に土塊が表面にでない程度の深さ(15〜16p以下)に行う。 出芽率を85%以上確保するため、砕土率(20mm以下の土塊径割合)を90%以上とする。
(3)過度の砕土・整地を行うと、クラスト(発芽を妨げる土壌の皮膜)を形成するので注意する。
(4)クラストは播種後の降雨により発生する。 過去発生した圃場または発生の心配がある圃場では 播種後降雨が予想される場合、播種を降雨後に延期する。
(5)クラストが発生時は早めにクラストクラッシャーを施工することが望ましい。クラストが完全に形成される(足跡が残らない堅さ)と十分に効果が発揮されない場合があるので注意する。
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画像をクリックすると拡大図が表示されます。図8-1.播種深度と施肥位置(十勝農試)
  (各種試験結果及び農家慣行例から)
施肥位置
(画像をクリックすると拡大図が表示されます。)

5.施肥と施肥位置

(1)施肥量および施肥位置によっては肥料やけ等が心配されるため充分注意が必要である。
(2) 作条施用の場合は、図8-1のような位置関係が望ましい。必ず施肥位置を確認する。
(3) 向上、増収には肥料ストレス(濃度障害、pH低下)の少ない分肥・全層施肥、作条混和施肥が有効である。
1). 分肥は基肥にスタータ窒素として4kg/10a、他の要素は全量を作条に施用する。
不足窒素分の追肥は硫安等で出芽揃〜2葉期(5月上〜下旬)までに必ず行う。
追肥のタイミングが遅れると肥効が劣るので注意が必要である。
   2). 全層施肥は整地前にブロードキャスタで通常と同じ施肥量を土壌と混和する。また、播種時の施肥作業が若干軽減される(*施肥量は北海道施肥ガイド参照)。
  多雨地帯では分肥を選択する。(多雨時の全層施肥は、肥料の流亡を助長し、窒素肥効が低下する場合がある。)
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6.播種と覆土

表8-2 播種時期と収量・糖分
(H2.十勝農試)
播種期茎葉重
(t/ha)
根重
(t/ha)
根中糖分
(%)
糖量
(kg/10a)
4/27
5/6
5/15
62.90
66.60
68.70
54.00
51.30
45.10
18.07
17.94
18.10
976
920
816
(1) 早期播種は増収の基本である。(表8-2:播種が早いほど根重が高い)
(2) 土壌水分が多いときは避ける。
(3) 播種間隔は1粒播きで15〜20cmに行う。
(4) 鎮圧については苗立枯病の発生を軽減させる効果もあり丁寧に行う。
(5) 播種深度は1〜2cmとし、圃場の土質で変わるが乾燥している場合はやや深めに行う。
(6) 播種時は時々播種機を止めて播種位置を確認する。
(7) 播種速度はトラクタの機種等によっても異なるが、約4.0km/hr程度で行うのが望ましい。
(8) 出芽率向上のため、播種機の後部鎮圧輪を狭幅鎮圧輪(幅115mm以下)とし、種子周辺の鎮圧力を強くする(慣行の広幅鎮圧輪は230mm)。
風害軽減対策について
  強風が懸念される圃場では、次年度直播栽培に向けて、下記の風害軽減対策を実施しましょう。

被覆作物を利用した軽減対策
  整地前に麦類(エン麦等)を5kg/10a全層散播する。
  (特に風上や風当たりの強い場所を重点的に)
  ↓
  整地→ビート播種→麦類が3〜4葉期にイネ科対象除草剤を散布(下の写真を参照)
除草剤散布時期拡大図
▲除草剤散布時期(麦類3〜4葉期)

その他の風害軽減例:イラスト
・砕土整地を細かくしすぎない。
・播種後深耕カルチを施工し、畦間に土を盛りあげる(湿性土壌)。
・防風ネットの活用。
・小麦、牧草などの風下に作付けする。(隣接圃場からの土壌飛散を防ぐ)。
・畦方向を風向きと直交させる(風害は畦方向に沿って起こりやすい)。
除草剤散布時は展着剤レナテン等を加用しましょう。
除草剤の種類は北糖までご相談下さい。

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7.除草剤散布

  右矢印除草剤散布方法の項参照。ただし直播栽培では登録がない薬剤もあるのでご注意下さい!
直播は移植栽培より初期生育良が小さいため、適切な雑草管理が重要である。
(1)播種後25〜30日目に行う1回目の散布は、基本的にはベタナール乳剤単用400〜500ml/80L/10aとする(薬害回避)
(2)ベタナール・レナパック基準量を低薬量同時処理する方法は高い効果が期待できる。
(3)イネ科雑草対象除草剤は、いずれの時期も必要であれば混用する。
(4)散布時期(図8-2参照)
てん菜の側から: 本葉2葉期(本葉3o程度)、これ以前だと生育遅延の懸念がある(1回目)。いずれの時期も、極端な高温時の散布は避ける。
雑草の側から: 雑草発生揃期で、雑草草丈が2p程度と小さい時(早めの散布が効果大)。
図8-2.散布時期とビート、雑草の大きさ
除草剤散布時期
*除草困難と予想される場合は、前もって原料課へご相談ください。
直播圃場(5月下旬)
直播圃場(5月下旬)
1回目除草剤散布適期1回目除草剤散布適期
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8.狭畦幅栽培

  てん菜栽培の省力・低コスト化を目指した直播栽培上において、より安定的に収穫本数を確保し、無間引栽培での収量向上、安定生産を図る方法として、平成8年度より対応機械が導入され栽培が行われています。

(1) 裁植方法:畦幅45〜48cm、株間18〜22cm、株立本数9,500〜12,000本/10aを確保する。
(2) 管理作業:作業畦を作る。(除草剤、病害虫防除散布等)
(3) 他の作業等については現行の直播栽培とほぼ同様。
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