Y.病害虫防除

1.褐斑病
2.斑点細菌病
3.斑点病
4.根腐病
5.黒根病
6.西部萎黄病
7.葉腐病
8.ヨトウガ・ウワバ類
9.カメノコハムシ
10.ハダニ
11.その他の病害虫

12. 少量による防除薬剤散布技術の紹介

(「W-2.育苗時の病害虫」の項も参照)
そう根病
※農薬、除草剤の使用に当たっては、容器等のラベルの記載をよく確認しましょう。
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1.褐斑病

高収・高糖への大前提
  褐斑病は他の病害虫被害よりダメージが非常に大きく収量・糖分を低下させます。褐斑病では9月下旬の発病指数が1になると、収量で6.5%(比率)、糖分で0.74%(実数)の低下となり、これを金額に換算すると莫大な額になります(図6-1)。育苗から大事に育てたビートを最大限に収量・糖分を向上させるため完全防除が大前提であり、基本的かつ重要な技術です。
図6-1 褐斑病による収量の低下
(S43〜45北農試、S50〜57 北糖等データ及びH19年度品目横断的経営安定化政策黄ゲタおよび品代から試算)
図6-1かっぱん病による収量の低下
指数1
指数1
成葉に病斑散見
指数3
指数3
成葉全体に病斑 部分的に壊死
指数5
指数5
成葉の大半枯死。新葉発生
(1)発生時期及び要因
       病原菌はサーコスポラ菌という糸状菌(カビ)である。
収穫後圃場に放置された罹病葉が主な伝染源となる。
初発は、連作・短期輪作畑では6月下旬頃、輪作畑で7月上・中旬頃が多い。
褐斑病の発病経過・・・昨年の発病残渣で越冬したもの
越冬菌核→分生子形成→

細胞枯死
飛散葉面付着→

←病斑拡大
気孔に侵入

←病斑形成
*菌が葉についてから発病するまでの潜伏期間は10〜14日間といわれている。
(2)病徴及び被害
       初めは紫紅色の小さい斑点が次第に拡大し、径2〜4oとなる。病斑の内部は淡褐色、周囲は赤褐色〜紫紅色を呈する。病斑が進むと多数の斑点が融合し大型斑点となり葉縁から壊死・枯死し新葉の再生が生じる。
被害については、図6-1の通り発病増加より被害は甚大となる。
遅い発病は糖分に対する被害が大きい。
(3)注意事項
       前作・前々作のてん菜に隣接したてん菜畑では発生が早く多い。
干ばつ・湿害等被害を受けたてん菜は罹病しやすい傾向がある。
そう根病罹病てん菜の褐斑病抵抗性は低下する。
(4)防除方法
7月上・中旬から15日以内の間隔で5回、予防的な防除を基本とする(表6-1)
連作・短期輪作畑では防除を早目に開始し、その後も徹底する。
収穫の遅い地帯、又は発生が多めに見られている圃場では9月中〜下旬にも防除を実施する。秋の気温が高い場合は特に注意する。
噴口は0.7〜0.8mmの噴板を使用し、散布水量は100L/10a、散布圧は25kg/cm2程度とし、茎葉全体に薬剤を付着させ、菌の侵入を防ぐ。
専用ノズルを使用する少量散布(水量25L/10a、右矢印詳細はこちら)は、慣行散布とほぼ同等の効果が得られ、省力化を図ることができる。(ヨトウガ防除も同様)
高温多雨で多発するので、常日頃気象予報に注意する。
こまめに圃場観察を行い、原料課からの情報を参考にする。
表6-1防除体系(例)
散布回数1回目2回目3回目4回目5回目
散布日(目安)7/107/258/108/259/10
例1マンゼブホクガード
または
プランダム
マンゼブ
または
カスガマイシン・銅
ホクガード
または
プランダム
マンゼブ
または
カスガマイシン・銅
例2マンゼブホクガード
または
プランダム
マンゼブ
または
カスガマイシン・銅
フリントマンゼブ
または
カスガマイシン・銅
マンゼブ:グリーンペンコゼブ水和剤、グリーンダイセンM水和剤(500倍)
カスガマイシン・銅:カスミンボルドー、カッパーシン水和剤 (800倍)
ホクガード:ホクガード乳剤(1,500倍)    プランダム:プランダム乳剤(3,000倍)
フリント:フリントフロアブル(1,500倍)
注)1.マンゼブ剤以外の薬剤は、耐性菌の発生が心配されるため連用は避ける。
2.2回目以降のマンゼブ使用時にはカスミン液剤(500倍)を同時使用すると効果が高い。
3.フリントフロアブルは葉腐病にも登録がある(葉腐病の同時防除が可能)

(5)主な防除薬剤
商品名散布濃度(倍)10a当り
水量
使用
回数
備考
グリーンダイセンM水和剤500100L5
12525L少量散布
81.6Lヘリ散布
グリーンペンコゼブ水和剤400〜600100L5
12525L少量散布
カスミン液剤400〜500100L5
カスミンボルドー800〜1,000 100L5
20025L少量散布
カッパーシン水和剤800〜1,000 100L5
20025L少量散布
プランダム乳剤25
(DMI剤)
2,000〜3,000100L 3DMI剤の
連用は
避ける
75025L少量散布
ホクガード乳剤
(DMI剤)
1,000〜1,500100L2
45025L少量散布
241.6Lヘリ散布
フリントフロアブル25
(ストロビルリン系)
1,500〜2,000100L3連用は
避ける
75025L少量散布
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本圃発生(早期)
本圃発生(早期)
生育中期
生育中期

2.斑点細菌病

(1)発生時期及び要因
       病原菌はシュードモナスというバクテリア(細菌)である
育苗中期〜本圃生育中に発生する。
本圃では6〜7月・9月下旬の低温多湿で発生する。霜害を受けた場合も発生しやすい。
(2)病徴及び被害
葉縁・葉身に円形又は不正形の褐色〜黒褐色の斑点を形成する。
斑点の周りは赤褐色又は水浸状暗緑色となる。
病徴が進むと病斑中央部は灰褐色となる。
被害は、早い時期に低温又は霜害にあい発病すると、他の病害同様収量・糖分が低下する。
(3)対策
苗床での極端な低温多湿を避ける。
(4)防除薬剤
商品名散布濃度
(倍)
水量使用
回数
防除時期
カスミンボルドー800100L56〜7月、9月下旬
(低温時に発生)
カッパーシン水和剤


3.斑点病

(1)発生時期及び要因
       病原菌はラムラリア菌という糸状菌(カビ)である。
冷涼な地帯(沿海)で6〜7月、9〜10月頃に発生し、特に秋が多い。
近年は内陸地帯でも発生が見られる。
連作で多くなる。
(2)病徴及び被害
病斑は褐斑病より大きく直径が1p位になることもある。
病斑部の色は褐斑病より淡褐色であり白色粉状のカビが肉眼で見られる。
9〜10月にかけての発生は糖分が大きく低下する。
(4)防除薬剤
商品名散布濃度
(倍)
10a当り
水量
使用
回数
防除時期
プランダム乳剤253000100L36月中旬〜
9月下旬
(低温時に発生)
ホクガード乳剤15002
カスミンボルドー8005
カッパーシン水和剤8005
(3)対策
      発病の予察と早期防除に努める。
褐斑病との同時防除を行う。
連作・短期輪作畑では、防除を徹底する。
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4.根腐病

表6-2.根腐病が収量・糖分に及ぼす影響
項目発病指数
根重(t/10a)
糖分(%)
5.0
17.0
3.8
15.8
注1)発病指数3:地上部葉柄の
      半数に病班が認められる。
   2)発病指数0を収量5t/10a、
        糖分17.0%と仮定した。
根部症状
根腐根部症状
(1)発生時期及び要因
       病原菌はリゾクトニア菌という糸状菌(カビ)である。
通常は6月中旬、遅い場合は7月下旬頃より発生する。
連作・短期輪作圃場では発生が多い。
培土によって発生が多くなる。
(2)病徴及び被害
      初めは地際部の葉柄又は冠部が黒褐変し、次第に病斑は根部へ進展する。
根部に進展すると発病部位は黒褐色となり、乾腐症状で根全体に拡大すると完全に腐敗枯死となる。
被害は欠株により減収する。
重症個体は製糖原料に供しない。軽症個体でも糖分が低下する。
8月下旬の指数単位当りの被害は表6-2の通りである。
(3)対策
      定植前にモンセレン苗床潅注を必ず実施する(育苗歴参照)。
6月下旬〜7月下旬にアミスター20フロアブル、リンバー顆粒水和剤等で防除(原則として株元散布)を行う。なお、連作・短期輪作畑、前回作付時発生畑では必ず行う。
ブームスプレヤーによる100L/10a通常散布でも6/上・下旬の2回散布を早期から行うことで効果が期待できる。(根際散布機がない場合の対策)
イネ科作物の導入によって菌密度は減少する。
(4)主な防除薬剤
防除時期商品名散布濃度(倍)10a当り水量使用回数備考
苗床潅注モンセレン顆粒水和剤2006L/6冊4
(潅注は1回)
6月中旬〜
 7月下旬
1000200L株元散布
アミスター20フロアブル1,500〜2,0003
リンバー顆粒水和剤4,0003

5.黒根病

黒根病発生圃場
▲黒根病発生圃場

著しい黄化株
▲著しい黄化株
(1)発生時期及び要因
       病原菌はアファノミセスという糸状菌(カビ)である。
地上部に症状が現れる時期は早い時で7月、遅い時で8月。
高温多湿で発生は早く、かつ多い。特に多雨で発生が多い。
連作・短期輪作に多い。
(2)病徴及び被害
地上部は淡い黄化又は著しい黄化株が圃場に散在する(地上部症状は明瞭でない場合もある。)
根部の典型的病徴は根部先端から水浸状に腐敗が始まり、後に罹病部分は黒色化する。著しくなると腐敗・枯死に至る。
軽い発生の場合は粗皮症状が見られる。
被害は根腐病と同じである。
粗皮症状でも根重・糖分は低下する。
(3)対策
根本的には明渠・暗渠等による排水不良土壌の 改善を行う。
パンブレーカー、サブソイラー、プラソイラ、中耕等の施行を行う。
適正pH・施肥、早期播種・定植を行い初期生育の促進を図る。
連作を避ける。
石灰質資材の作条施用で被害を軽減する。
(4)主な防除薬剤
防除時期商品名散布濃度(倍)10a当り水量使用回数備考
苗床潅注フロンサイド水和剤1006L/6冊1
6月中旬〜7月下旬1,000200L4株元散布

6.西部萎黄病

(1)感染源
       作物:テンサイ、ホウレンソウ、ハクサイ、キャベツ、カブ、チンゲンサイ、ブロッコリー、カリフラワー
雑草:ナズナ、ノボロギク、ハコベ
(2)発生時期及び要因
病原はウイルスである。
モモアカアブラムシがウイルスを媒介する。
症状が出る時期は7月初旬頃である。
(3)病徴及び被害
初めは葉縁の一部又は葉面が黄化、主として外側の成熟葉・古葉に現れる。
後に葉色は橙黄色・橙赤色となり、罹病葉は厚くなり握るとくだけ易くなる。
葉面は大きく凹凸し、ときに壊そを生じ、株は早期に感染すると萎縮する。
被害は早期に感染すると、特に根重が大きく低下する。
(4)対策
感染源となる作物、雑草の残査物を残さないように、清掃、鋤込みを行う。
特に、ハウスは人為的なアブラムシ越冬場所となる可能性があり、徹底した清掃が必要です。
アドマイヤー顆粒水和剤、アクタラ顆粒水溶剤の定植前潅注はアブラムシ類に対し登録がある。(テンサイトビハムシにも登録がある)
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7.葉腐病

葉腐病の激しい個体
葉腐病の著しい個体
(1)発生時期及び要因
       病原菌はリゾクトニア菌であり、早い場合は6月中・下旬、通常は7月中・下旬頃に見られる。
夏期が高温多湿の場合多発する。窒素質肥料を多用すると罹病しやすい。
根腐病菌と同じなので根腐発生圃場で出やすい。
(2)病徴及び被害
中位葉又は比較的新葉に直径1o前後の小型斑点を生ずる。
その後、小型斑点は高温多湿で水浸状に拡大し(乾燥が続くと拡大しない)、一般には8月中旬以降急激に蔓延することが多い。
発病が早いと収量・糖分に、発病が遅いと糖分に対する影響は大きい。
(3)対策
根腐病の発生を抑える。また、窒素質肥料の多用は避ける。
薬剤防除は発生が見られたら直ちに行う。
(4)主な防除薬剤
防除時期商品名散布濃度(倍)10a当り水量使用回数
8月中旬〜9月上旬モンカットフロアブル401000100L4
モンセレン顆粒水和剤10004


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